29.January.2000

朝9時に家を出て、コンソート青葉の練習に向かいました。
演奏会の時に4本だけでやる曲の練習が、まず9時半から10時半。濃い内容だったので、すでに身体はへとへと。
だけど、あまりにも美しい響きで気持ちよくなって、精神的にはハイな状態に・・
10時半から1時近くまで、青葉の合奏練習やミーティング。
最後にやった「主よ人の望みの喜びよ」でコントラバスを息絶え絶えに吹いたのですが、のれなくて悔しい思い。
いそいで電車に乗り、今度はノンキー・プロジェクトの休日グループの練習へ。
遅刻して登場すると、なにやら練習室の中は、もうすでに雰囲気が出来上がっている様子・・・
飲み屋に遅刻していった素面の人みたいな気持ちでバタバタ焦って用意していると、
ドアが開いて、羊の指人形を持ったKey-MamaさんちのAちゃんがちょろちょろっと入ってくるのが見えた。
「わぁ、かわいい。」と思ったら急に気持ちが和んだ。なんと、また今日も子供+羊に助けてもらってしまった。
ところで、面白いことがありました。昨日と同じメニューで練習を始めたのに、びっくり。
「え、同じ曲じゃないでしょう?」と言いたくなるくらい違う響きなのですよ。
アレンジャーが、スタジオに呼ぶミュージシャンの人選にこだわるわけですね。
とにかく、この二つのグループに参加させてもらい、同じメニューで練習をするという経験は、
予想外に貴重な経験のようです。今後の展開が、ますます楽しみになってきました。
ToIさん所有の楽器や楽譜を見せて頂いたり、Key-Mamaさんの先週の演奏会の話を聞いたり・・
平日グループは、教えてもらっているルーツが同じなので、カラーが揃っているなという印象だったのに対し、
さまざまな場所からさまざまな体験をしている人々が集まってくるこの休日グループは、カラフルです。
次回は、どんな情報が交されるのか、どんな演奏になるか・・もう、今日からわくわく。
5時に終わって家に帰り、久しぶりにビールを飲んでから死んだように寝ました。






28.January.2000

いよいよ、待ちに待ったノンキー・プロジェクトの平日グループ練習日でした。
今日の日のために私も必死で準備を続けてきたのですが、とても暖かい応援を受けることができたからこそ
今日の日が迎えられたことを、本当に朝から感謝していました。
メンバーの洋一さんには、楽譜を何度も何度も添削して、正しい記譜法や楽譜の美学を教えて頂いた。
それから、自信が持てなくて煮詰まったアレンジを斎藤ネコさんにみて頂き、ドーンと背中を押して頂いた。
そうやって、皆さんの助けを受けたからこそ出来上がった「ノンキー組曲」の楽譜を
「よし!」と気合いを入れて鞄につめて、ソプラノからバスまでのリコーダーを用意して、録音用にMDを・・
とその時、電話。そして、私はその電話でとてもショックなことを聞いてしまったのです。
頭が真っ白になって、その後自分がどうやって運転して清美さん宅まで行ったか覚えていないくらいです。
とにかく貴重な練習時間なのだから、正気にならなければ・・
とは思っているのに、どこか遠くに意識がいってしまう。
ハッと我に返った時、清美さんちの息子さんがニコニコ笑っているそばで、
Hopiさんが胸に付けてきてくれた、かわいい羊のブローチを眺めていました。
その時なぜか急にホッとして気がらくになり、やっと普段の私に戻ることができたのです。
その後は、和気あいあいとお茶を飲んだり、フェレットと遊んだり、
そして真剣に練習したり、録音したりと、本当に夢のような素晴らしい時間でした。
練習に関しては、近日中に'NONKY PROJECT'のページで報告を致します。
でも不思議ですね。皆と一緒に吹いている時は、全く嫌なことを思い出さなかったのです。
「本当に、アンサンブルっていいよ。」と言い続けている私ですが、
今日ほどそれを強く感じたことはありませんでした。






25.January.2000

一ヶ月ぶりのレッスンでした。
レッスンがないと、分らないことがどんどん分らなくなり、雁字搦めになってしまいます。
自分であれこれ考えてはいるのですが、気が付くと迷路に入ってしまっていて、出口が分らなくなるのです。
人に頼ってばかりではいけないと思いつつも、「独習のみ」は避けたいな、とつくづく感じます。
何故って、レッスンでアドバイスを受けると、道が開けるし、気分もらくになるし、上達するからです。
今練習しているシュテープスの練習曲も、新しく始めたテレマンのソナタも、
高いfを綺麗に出さないと台無しになってしまうような曲なのですが、
今日も、私のfの出し方を、先生が横で観察して下さったら、
ほっぺの方に息が逃げてしまい、息圧が下がって綺麗に出ていないことが判明。
私があれこれ考えていた原因とは、まったく違うことでした。
とにかく原因と対処方法が分かって、気分爽快!
しかし、こういう原因はひとりひとり違うので、マニュアルが通用することではないですよね。
ひとりひとりをよく見て下さる先生に巡り合えたことを、改めて感謝する日となりました。
折しも、私のレッスンの前の方が、転勤でお引っ越しすることになり、最後のレッスンだったようで、
無念・・という思いが伝わってくるやっとの声で「先生にお会いできてよかったです!」といいながら、
引っ越し先でも「なんとかリコーダーを続けていく」ことを約束し、玄関のドアを閉めていました。
なんだか天国と地獄・・
レッスン室でウキウキしながら笛を暖めていた自分を取り巻く環境にも、改めて感謝する日でもありました。






22.January.2000

ずっと日記を書かなかったら、病気になっているんじゃないかと心配して頂いた。
けど、頭と耳と目以外は、ピンピンしております。
実は、先週の過酷な日々の目の疲れと耳の疲れをとろうと、
最低限必要なことだけにパソコンを使い、音もない生活をしていました。
勿論、来週あるレッスン、ノンキー・プロジェクト、コンソート青葉用の練習も楽譜書きも、敢えてしませんでした。
頑張って音楽が嫌いになってしまうのでは、本末転倒。休む時は、休まないと・・
ところで、目や耳を休めることはできるのだけれど、私は頭を真っ白にすることができないのです。
日常生活をしていても、ふと気付くと、いろいろ考えている。嫌ですねぇ。
例えば、何か道具をあちらこちらから眺めて、それの本来の使い方以外に使い方はないかを考えていたり、
料理の本を見て料理しながらも、材料や作り方を変えてみたらどうなるかを考え、ちょっとひねりをいれている。
そして新聞やテレビで事件があったことを知ると、容疑者がどうしてそういう行動をおこしたか、
また、容疑者とその回りの人物との関係などを推測する。e.t.c.
でも、これが結構皆に受けるのですよ。事件が起きる度に、そこら中から問い合わせがあるのです。
「で、どう思う?」と。我家の食卓は、私の「推理」でいつも大盛り上がり。
得意になって、「ちょっとのきっかけから、何かをどんどん発展させていく。これこそ知的快感よ!」
と言っていると、今朝の朝刊に同じような人が出ていました。泉麻人さんです。
私が中学生の頃夢中で読んだ、星新一著「未来いそっぷ」について語っていました。
未来版「ウサギとカメ」は、「足の速いウサギが、カメの陰謀で警察にスピード違反で検挙される。」
それをさらにもう一ひねりして、「結局カメと警察の癒着が発覚してウサギに同情が集まる。」にした。
泉さんにとっては、「斜」に物事を眺めたり、評論をしたりすることの面白さを学んだ貴重な本だったとか。
そうか、「斜」だったのね・・私は、「知的快感」だと思っていたのに・・






15.January.2000

寝不足が積もり積もって、朝、起きられないし、頭も冴えない。
我家では、私だけが目覚まし時計ですぐ起きられる人だったのに、ちょっとあやしくなってきて、今は枕元に二つ。
なのに、先日「10分でお弁当を作って、夫を叩き起こして娘を学校まで車で・・」をまたやってしまった。
さすがにみんな慣れてきて、文句も言わず所定の行動をササッとやるので、かえって情けない思いでした。
どうしてこう、やることが多い時に限って次々に仕事が増えるのかなぁ?
暇な時は暇なのに・・ぶつぶつ・・
蓄積疲労も相当なもので、今日の「コンソート青葉」の練習は、珍しく休みたい気分でした。
が、体調不良ごときでは放棄したくないので、栄養ドリンクをグビグビ飲んで出かけることにしました。
一昨日もパート練習があったのですが、その時は、
「こんなに楽しんでこんなに練習場代が安くていいの?だって、カラオケに行ったら何千円よ!」
と友人に言われたのに納得して、そういえばアンサンブルは自分も楽しめて、相手も楽しませる・・
一挙両得とはこうゆうことだなぁ・・と思っていたのですよ。
でも、たまに、「自分が楽しみにいく」のではなく「責任感」だけで吹きに行く・・時もあるのですよね。
今日もそうで、「とにかく私は、今日はカラオケ・・」と思って出かけたのですが、とんでもなかった。
渡辺先生が、こんがらがった紐を解くように新しい曲の吹き方のアドバイスをあれこれして下さったのですが、
説明後、各パートがアドバイス通りに息を合わせ、しかも全パートで受け渡しをスムースにしていくと、
ピンぼけだったカメラの焦点がトットットッと合っていく様に、曲の輪郭が見えてきたのです。
メロディを1パートが受け持つのではなく、4声をまとめると初めて浮かび上がってくるメロディもあり、
「ああ、そうか、アンサンブルは、歌とカラオケの関係ではなく、やっぱり『かけひき』なのだな。」
と思いました。誰かがカラオケの役割だけに撤していると、輪郭なんか見えてこない。
相手にきっかけを与えたり、もらったり、一緒に動いたり、支えたり、支えてもらったり・・
などは、人間同志だから出来る技。
「ノンキー組曲」のアレンジにも参考になる出来事でした。






11.January.2000

私のように専門的に作編曲を勉強したわけではないものにとって、編曲や楽譜作成はとても辛い作業です。
楽譜の上でさらさら書いていくなんてことは出来ず、
頭で鳴っている音(理想像)と実際に聴こえる音を結びつけながら書いていくのですが、
ことにリコーダーのように単音楽器で音域も狭い楽器だけを使って編曲するのは、発狂したくなるくらい難しい。
曲はどんどんできるのに、丁寧に編曲して形にしていく時間と労力をとられ、なかなか次へ次へと進めない苛立ち・・
それに加え、今回は、今後のことを考え楽譜作成ソフトを導入し、さらに大変なことになってしまいました。
眠気、吐き気、胃痛、ドライアイ、肩こりと戦いつつ、入力して、吹いて、録音して、直して・・・
そんなことを5日間繰り返し、ついにこの2日間は徹夜したのに、一曲も完成させることが出来ない。
「お煎餅を食べてごろごろしていても、同じように時が過ぎていくのに、
どうしてこんな面倒で大変なことを始めちゃったんだろう?」
私にしては珍しく、今回は本当に、本当に弱気になってしまいました。
ところが、丁度NHKテレビでやっていた「みんなで吹いたら日本一」という番組を見て、
−50°になっていた気持ちを沸点まで上げることが出来ました。
ナイスタイミングです!
音楽の専門教育を受けていない丸谷先生が率いる淀川工業高校ブラスバンドは、全国大会16回めの金賞をとりました。
丸谷先生は「楽しむこと」「息を合わせること」にこだわるのですが、
高校に入ってから初めて楽器に触った楽譜も読めない生徒達が、たった3年でみごとな演奏家に育っていくのです。
丸谷先生の言っていること、やっていることは、まさに私が「ノンキー」でやりたかったことと一緒なので、
こうして結果が出ている合奏団が存在することを知り、とても勇気づけられました。
それから、真田広之さんが英国の超名門Royal Shakespeare Companyで
孤軍奮闘、古典英語でリア王の道化を演じているドキュメンタリも見て、さらに深く感銘を受け、
夫と「たった一度の人生だからこそ、丸谷先生や真田さんのように生きたいね!」と言い合いました。
これをきっかけに、私も絶不調から脱出。ようやく1曲を完成させました。
洋一さんに「記譜法等の間違いを教えて下さい。」とお願いしたら、添削して送り返して下さいました。
アドバイス通りに直してプリントアウトしてみたら、私が作ったとは思えない楽譜・・
嬉しくて、涙がポトポト落ちてきました。






5.January.2000

世間は皆お仕事を始めたことだし、私もそろそろ始動せねばと思い、
まずリコーダーを吹いてみました。ショック!・・どうしよう・・
気を取り直して、サンタクロースさんからのプレゼントのFinaleで楽譜の清書!あぁ・・どうしよう・・
気を取り直して、父から譲り受けたPC(Windowsがついに我家に)をモニタの左側に設置し、
愛用Macintoshを右側に据えて、「左脳クン!右脳クン!」と呼んで大喜びし、
ドキドキしながら左脳クンを走らせてみた。すると、くー、たまんない!
中身は、Photoshopやらアニメーション制作ツールやらピンボールなどのゲームが満載。
わはははは、そうだった!私と父とは血がつながっているのだった。
予想に反して、新入りの左脳クンとも友達になれそうです。
それにしても、ゲームも久しぶりにやったのに、ゲームだけは腕が落ちないなぁ・・
と、感心している場合じゃなかった。Finaleを早く使いこなせるようにならないといけないのだった。
ノンキープロジェクト用の楽譜を早く作らなければ!
どうして、〆切り真近にならないと身体が動かないんでしょうね?
人間の本質は、年月が経っても、全然変わらないのですね。






3.January.2000

私のお正月の基本は「のんびり」なのですが、今日は高校時代の恩師と同級生達と大騒ぎをしました。
恩師のシスターK先生は、先日訳あって修道院を出られたので、私達の誘いに気軽に応じられるようになったのです。
悪ガキ友達だった仲間達が、矢継ぎ早に「ベールの下はどうなってたんですか?」「パジャマはどんな?」
などと百済ない質問をしたのですが、先生は、それにニコニコ丁寧に答えて下さいました。
答える姿は高校時代の先生そのままのお品の良さで、英語をまじえての回答だったし、
質問をする友人達は、高校時代そのままの魂胆のある表情だったので笑えました。
人間の本質は、年月が経っても、全然変わらないのですね。私もつい自が出て、はしゃぎ捲ってしまいました。
すると「学校の帰りにコロッケ食べて、朝礼で懺悔させられたの、みおりじゃない?」の質問。
「うっ、そうだ。」と答えると、
「みおりちゃんが音楽室のウッドベースを持ってきて、楽譜がないのに『適当に弾いて!』と言った。」
「みおりに誘われてバスの陰に隠れながら走って、禁止されていたお好み焼き屋さんに入った。」
「校則改訂の署名運動も文化祭開催の運動もしてた。」など、次々と出てくる、出てくる・・
でもそういうことが楽しかったって、みんな言ってくれました。
そうだ、そうだ!楽しければいいのだ。
ということで、私は今年も暴れます。
楽しい事したい人、この指とまれーっ!





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