28.June.2000

アートチームのCさん、Iちゃんと一緒に7/16のコンサートで使う映像制作の日でした。
私のページの表紙にも載っている羊達(現在我が家に12匹います)を、まず、デジカメで撮影して、
photoshopでナチュラル、お洒落、非現実的に加工する作業を、何度も繰り返しました。
同じ羊でも、見る角度が違うと全然印象が変わるし、背景を変えたら、もう、別世界・・
「立体制作」の魅力を、改めて感じた日でした。
背景には、葛の葉っぱ、陶器、目の粗い布、古ぼけた楽譜、古ぼけた辞書、スコア譜など、
身の回りにある魅力的なものを集めてきて、羊達のキャラクタに似合うものを配置したのですが、
濡れていた葉が乾燥してきただけでも、雰囲気がガラっと変わるし、ほんの3度ほど置く角度を変えただけでも変わる・・
二人して、こだわって撮影し、加工した映像は、初めて挑戦した作業とは思えない出来でした。
いやいや、これぞ「センス」ですね。Cさん、Iちゃんの仕事ぶりを見ていてため息が出ました。
日本人は、アイデアとか、センスとか・・目に見えないものにお金を払うのを躊躇する=認めないそうですね。
Cさん達も、美術のお仕事をしてきて、何度もそういう悲しい出来事に遭遇したそうです。
でも、センスこそ、その人のいろいろな経験や知識や才能が発揮される、素晴らしいものだと思います。
私も音楽制作に携わっていた若い頃、何度も上司に
「センスを生かして作りましょうよ、こだわりを捨てないようにしましょうよ・・」と訴え、
その度に「あのね、センスにはなかなかお金払ってもらえないのよ。利益が出ないと・・」
と諭され、よくトイレで泣いていました。
今日「3度左で撮り直し」や、「もう少し葉っぱを乾燥させてスピード感を出そう」の作業をしていたら、
ノンキー・プロジェクトを旗揚げした喜びが、込み上げてきました。




23.June.2000

ノンキー・プロジェクトの合同練習日でした。
新しいメンバー2人も加わったし、今日は平日なので、わざわざお仕事を休んで参加したメンバーも多く、
「絶対に練習時間を無駄にしてはいけないな」という強い思いを抱えて行きました。
それに、前回の練習の時、ネコさんに「美織さん、私と一緒にいる時と別人じゃない!」と言われてしまったのですが、
最近「丸くなっちゃってつまんない。」「昔は、弾けていたのに。」などという発言もよく耳にするし、
そうか、言いたいことを言わないでおとなしくしている私は、かえって「変」なのだなと思い始め・・。
えーい、今日は思いっきり弾けちゃえ!・・ということで、顎が痛くなるほど、言いまくりました。
でもね、人里に現れたサルは、ボスザルの目の届くお山にいる時とは、同じサルでもやっぱり態度が変わるものです。
なんか頬のあたりが引きつるし、心臓がトクトク言っているし。
ノンキーこそ「自分のお山」のはずなのに、まだまだ知り合って間もないメンバーには遠慮しちゃうのかなぁ。
いや、違うなぁ。メンバー達にはすっかり慣れて、甘えているし、わがままを言っているし・・
うーん・・・やっぱり、自信だ、きっと自信がないんだわ。
そういえば、曲の解釈については、自分の曲だから自分が一番分かっているので、
なんかこう、後ろに仰け反りそうになるくらい大威張りで言っているのだけれど、
リコーダーの話になるとどもるし、音程のことを言っている時なんか、指が震えているもの。
自分が出来ていないから、小さくなっちゃうのよ。
言っていることと、自分がやっていることが一致しないのは、本当に辛いもの。
あ〜あ、はやくもっと上手になりたいなぁ。
もっと上手になって自信を持って「こうしない?」と言ってみたいなぁ。




21.June.2000

待ちに待ったレッスンでした。
指を火傷して出来なかった3日間以外は、珍しく毎日よく練習していたので、
それだけ悩みも多くなり、レッスンまでの2週間がいつもより長く感じられていたのです。
今のところ技術的なことの課題は、まず高い音を綺麗に出すこと、背景になるような音を作ること、
そして正しい音程を保ちながら、ON,OFFスイッチではなく、回すスイッチのように音量調節をすることです。
これらは、とにかく「訓練」だと思いますので、毎日少しづつ練習をしていれば、いつか出来るようになるでしょう。
しかし、楽譜を読みとって解釈する作業は、ある程度努力したら、もう出口が見つからず悩みに入ってしまいます。
今回も理解できた箇所は、すいすい気持ちよく吹けるのに、理解できない箇所は、まったくノーアイディアのまま・・
でも、そうかといって棒吹きするのも悔しいので、理解できた箇所と比較して、
「こっちがのびやかだから、仕方ない・・こっちは音を切ってみるかな。」
などと、音の長さや、音量調節などの「手段」でごまかしていました。
でも、私は目的が分かっていないのに手段でなんとかするのは、本当は大嫌い。
で、「レッスンが待ち遠しいなぁ。ここの分からない部分を、はやく理解したい!」と思っていたわけです。
よくピアノの発表会で、「やればいいんでしょ、やれば!」とばかりにクレッシェンドしてる子供を見かけたりします。
「あぁ、あの子はそのクレッシェンドがどういう目的で楽譜に書かれていたのかを理解しないで弾いているんだなぁ」と思います。
「何のために」がわからず目の前のハードルを越えているのを見るのは、結構空しい・・。
「とりあえずいい学校に入学するために勉強して」「いい会社に就職するために」という人が多いけれど、
それって、ただのハードル・・ただの手段じゃないかと私は思います。
「○○な人になりたい」という目的があって、越えなければならない障害物が出てきたのなら、喜んで越えられると思います。
けれど、なんだか目的もはっきりしないのに人工的に置かれたハードルは、越えても満足できるかどうか。
それこそ「やればいいんでしょ、やれば!」になりそう・・
で、曲の話に戻りますが、レッスンでは何も言わず、とりあえず吹いてみました。
いやぁ、驚き!・・見事にピッタシカンカン!・・それを見破られました。
「美織さんが理解して吹いていると思われるここら辺は、訴えかけてくるけれど、
分かっていないんだろうなぁというこのあたりは、何も訴えかけてきませんよ。」って。
「ここはどうしたいの?」「そうしたいのだったら、例えばここはこうしてみると・・」
というようにアドバイスして下さる先生の声を聞きながら、
渡辺先生には、私が求めているものを100%理解して頂けているんだなぁ・・と思いました。




18.June.2000

「神奈川笛の会」第25回目の発表会でした。
コンソート青葉がトリ・・ということで、緊張してこの日を迎えるはずだったのですが、
昨日の最終練習でとても良い仕上がりになり、皆の顔は晴れやか、いつものおっとり顔になっていました。
実は前回の練習の時に不安を隠しきれず、「笛の会は、一緒に吹かないで見ていますね。」と宣言していた先生に、
「やっぱり先生、不安なので一緒に吹いて頂けませんか?」と藁にもにも縋すがる思いで訴えたところ、
「私に縋すがるつもりで吹いたら、私が一緒に吹いたとしても結局ダメよ。」というようなことを先生がおっしゃいました。
確かに言われてみるとその通りで、船から落ちて溺れている私達が全員で先生の腕を掴んだら、たちまち先生も巻き込んで水没です。
やはり、まず、全員がそれぞれの力で漕ぐこと、そして漕ぐタイミングの息をあわせること、
そうやって力を合わせて推進していく船を作ることが必要だったのですね。
大人数のアンサンブルの場合は、なんとなく自分はサボっていても進んでいくような錯角をおこしますが、
それをすると、知らず知らずのうちにまわりの誰かさんに負担をかけることになっているのです。
誰にもぶら下がらないで自分の力で推進していくっていうのは、実はかなり大切なことなんだろうなぁ。
ということで、ひたすら息を合わせ、同じように揺れて、進んで・・を目ざして、昨日はたっぷり練習しました。
本番も、まぁいろいろ難はあったのですが、先生に入って頂いたこともプラスされ、青葉の良さは十分出せたように思いました。
ワルツの曲で、ウンパッパッを担当するパートの人達で「まとまろうね!」と話していたのですが、
同じ大きさの弧を描きながら吹いて、まさに心一つになった瞬間が今回もあり、吹きながらブルブルッと震えがきました。
演奏終了後のティータイムで「いい曲ですね。楽譜を手に入れたいのですが教えて頂けますか。」と言ってきた方がいらっしゃったとか。
いい曲に聴こえたってことは、大成功ですよね?よかった、よかった。
私達以外にも6グループが参加していたのですが、さすがに歴史のある「神奈川笛の会」は個人個人のレベルが高いなと思いました。
かなりの難曲揃いで、びっくり!
でも、アンサンブルの良さをうち出してきたところもあれば、個人技を御披露・・というところもあったし、
学校の教室を思い出させるような懐かしい感じのアンサンブルもあれば、受け狙いもあって、面白かった!
コントラバスを運ばなければならないので、今回は会場の辻堂まで車で遠征。
ワーワーキャーキャー騒ぎながらのドライブ・・
なんだかこの頃、バンドをやっていた頃を思い出すなぁ。




16.June.2000

アルモニー・アンティークのコンサートでした。
今日は「オールバッハでしかも編曲もの」という企画色の強いコンサートなので、楽しみにしていました。
編曲に関しては、いいなぁと思うものと、ちょっとかなぁ・・と思うものがあったのですが、
「バッハって本当にいい曲をいっぱい残してくれたのだなぁ!」と思わせるあたりは、さすが名手達の演奏でした。
リコーダーばっかりやっていると、他の楽器の音色が恋しくて恋しくてたまらなくなる時があります。
アルモニー・アンティークの編成では、チェンバロ、トラベルソ、リコーダー、バロックオーボエ、ガンバなど、
曲や編曲、演奏などの他に、「普段あまり耳にしない優雅な楽器の音色」を楽しむことができます。
音色って偉大だと思います。音色に触発されて作編曲したり、演奏することって、普段からとっても多いのですよ。
本来その楽器の持っている美しい音色を聴きたいと思っても、特に古楽器の場合は出すだけでも大変なので、貴重ですよね。
それから、視覚的にも楽しいことが多いコンサートでした。
衣装は勿論ですが、チェンバロに描かれている絵や、楽器を演奏する姿勢(科の作り方)、ダンスなど・・
ことに、ガンバの弓を持つ手や、足で楽器を抱え込む姿っていうのが私好みで、「美しいなぁ」と憧れの目でみてしまいました。
あと20歳若かったら、ガンバも習ってみたかったなぁ・・・。
さて、トラベルソの高橋理恵子先生にフルートを習っている夫と、リコーダーを渡辺清美先生に習っている私は、
いちいち曲が終わるごとに自分の先生を自慢し合い、お互いの先生に対しての称辞を言い合いました。
レッスン室で教えていらっしゃる先生とは違う華やかなお姿を拝見するのは、やはり嬉しいものです。
「あの人、ほらあの青いドレスの先生が私の先生よ。」と言って回りたい気分でした。
現役の演奏家を師に持ち、演奏する姿を見て憧れる幸せって、本当に筆舌につくしがたい幸せなのですよ。
「なんだか頑張ろうって気になるよね!」と言いながら幸せな気分で帰って参りました。




10.June.2000

は普段あまり寝ないくせに、テスト前になるとよく寝るのです。
学校へ行っている時、食べている時以外は、ほとんど寝ています。
お風呂でも寝てしまうので、心臓ドキドキで「大丈夫?」と声をかけにいかなければなりません。
「逃避だよ!まったく。普通の子は、試験前に睡眠不足になるんだけどねぇ・・」
と言ってみるものの、実は私も同じようなのです。
今日も「今日は忙しいぞ。」と思うそばから、カメラで羊達を撮影して、パソコンでいじって遊んで、
おまけにINDEXページに載せてリニューアルしてしまいました。
こんな日のはずじゃなかったのに・・あ〜ぁ、どうしよう。
そうして時間がなくなって、追い込まれて、どうしようもなくなって、我にかえって、
最後の最後のひとときで仕方なく帳尻をあわせることになるのよね、いつも。
ブイブイ高速運転も、速く歩けるのも、一瞬にして集中できちゃうのも、このくり返しの賜物なのです。
娘は「よく寝たから、頭スッキリ!考える力は、リフレッシュした頭から生まれる。」
って言っていたけれど、都合の良い言い訳をするあたりは、やはり母ゆずりかしらん?
しかし、こうして一生懸命作ったページも、友だちのお宅で見せて頂いた娘が言うには、
「家のMacではスッキリ見えているけれど、友達のところでは変だったよ。」って。
どこが変なんだろう・・気になるなぁ・・




10.June.2000

コンソート青葉の練習でした。
神奈川笛の会合同発表会のプログラムが届いたら、なんと青葉は「トリ」なのです。
大騒ぎです。普段はおっとり和やかな雰囲気のメンバー達も、さすがに「責任感」を感じたらしく、
「ちゃんとしなくちゃ」・・の気持ちが膨らんできました。
そこで先生にもお願いして、今日は普段より背伸びした練習をしたのです。
みんなで出す音のタイミングなどをかなりシビアに気をつけるようにしたら、確かに「きちっと度」は上がったと思います。
けれど、練習後のみんなの悲愴感溢れる顔、まわりで吹いている人達から伝わってくる妙な緊張感・・
私も一人でテナーパートを吹く曲の責任が重くのしかかってきて、笑顔が消えてしまいました。
3月の演奏会で心一つ、頭真っ白になってみんなで演奏した「今こそ別れ」を思い出しながら、
あぁ、この重い空気をどうにかしないと・・・と思いました。
その気持ちを引きずったまま駄犬と夫と散歩に出て、田植えの終わったきれいな田んぼをぼーっと見ていたら、
ジャージ姿の老夫妻がザッザッザッと腕を横に大きく振りながら、はや歩きで横を通り過ぎていきました。
奥さんの方が少し遅れると、おじさんが足踏みしながら恐い顔で彼女を睨み、しきりに「はやく!」という手招きをしていました。
「そんなに頑張ってどうするんだろう。健康目的だったら、かえってストレスがたまって具合が悪くなりそうだよ。」
と夫が言うので、大きく頷いてしまいました。
「やっぱりそう思う?変な頑張りはかえって結果を悪くするよねぇ。」と言いつつ、
「でも、責任っていうこともあるし、より良いものを求めれば、いろいろあるよねぇ。」と自分の話に戻り・・
なんだかこういう時は、必ずネコさんの顔が思い浮かぶので、
「ねぇ、近々ネコさんを誘って中華料理を食べに行かない?」と話していたら、電話が鳴りました。
なんと、ネコさんから中華料理屋さんについての質問のお電話でした。
その後、話が音楽の方にいった時、ネコさんが「まず楽しくなくっちゃ!」と言ったので凍りつきそうでした。
あぁびっくりした!盗聴器でも仕掛けてあるのかと思いましたよ。





7.June.2000

レッスンでした。今日から、テレマンのデュエットソナタ5番です。
一楽章はLargoで私の苦手なタイプですが、今一番興味のある練習・・
ロングトーンをどう表現し、どう処理をするか・・の練習には最適です。
テーマを吹いたらロングトーンで相手が出てくるのを支える、
またこちらが吹いたあと、相手が出てきたら背景になる・・などというふうに吹きたいのですが、難しい。
そののばしている音を、それぞれ役割や意味あいなどを考えて綺麗に吹かなければ、相手の邪魔になってしまうし、
高音続きなので、私としては丁寧にささやかに吹いたつもりでも、出ている音は立派なキツイ音になってしまうのです。
いろいろ原因を先生が探って発見し、矯正練習の仕方も教えて下さいましたが・・
何だか根本的に自分の性格を直さなければいけないような気もしてきました。
だって私、背景になるとか、支えになるとか、3歩後を行くなんてこととはいつも無縁だもの。
いえ、そういう気はあるのですよ。でも、気が付くといつも超マイペース。
うーむ、デュエットは、性格矯正にもいいかもしれません。
そうそう、今秋ある生徒達の発表会の曲も「デュエットにしませんか?」と先生が仰られ、
これからその練習を丁寧にしていくことに決定!
よしよし、これで秋頃には腕もあがり、大和撫子風の性格に変身出来るかもしれませんねぇ。
それにしても、先生とのデュエットですよー。ラッキー!!ワオ〜!
さて、レッスン後はいつも二子玉川で美味しいものを仕入れて帰るのですが、
今日は両親が旅行先の北海道から「たらばがにを送ったよ。」と言ってきたので、
買い物は控え目にし、食卓の中央をドーンとあけて宅配便のお兄さんの登場を待ちました。
けど、8時になっても来ないので、ついに副菜だけで御飯を済ませることにしました。
慎ましく食事をしたので、久しぶりに腹八分目。
「大和撫子へのイバラの道」のスタート?・・かも。





3.June.2000

コンソート青葉の練習でした。
6月18日にある「神奈川笛の会」の合同発表会のための練習をしました。
Fun For Four Recordersという曲集の中から4曲と、「主よ人の望みの喜びよ」をやるのですが、
どちらも輸入楽譜で、アレンジがとても、とても素敵です。
先生が「ここに気を付けましょう!」と注意して下さるごとに、どんどんそのアレンジの良さが浮き彫りになってきます。
これらの曲は、もうかなり前から練習しているので、演奏自体にはもうあまり喜びを感じなくなっているのですが、
「アレンジの妙」を密かに満喫して、今日は一人で大喜びしていたのでした。
そして練習後、珍しく大勢で昼食を食べに行ったのですが、
駐車場の関係もあって、予定していたこだわりカレー屋さんではなく近所のジョナサンへ行くことになりました。
「美味しいもの食べたがり」で有名な私は「ファミレスでもいいの?」と聞かれてしまいましたが、
「そりゃ今は、皆さんと一緒の方を選びますよぉ!」
目的はいつも一つではないし、私はどんな時もその枠の中で「最大限楽しむ」のです。
さて、家に帰ったら帰ったで、夫が「コンサートでお土産をもらったけど、これはなんなんだろうね?」
と三角やら四角に切られた色紙片、数枚を差し出しました。
すぐにゴミ箱に捨てられそうになったそれらを、あわてて取り上げ、
「きっと、組合わせて『アートごっこ』するんだよ。」と答えながらその振りをしていたら、
いつのまにか、今度はそれに夢中になってしまいました。
箸一本ころがしてくれれば大笑いするし、どんなものでも素材一つ与えられれば夢中になって楽しく遊ぶ私。
でも、だからガラクタが増えるし、寝る時間が少なくなるのよね・・もうっ!

 



1.June.2000

フィンランド在住のピアニスト館野泉さんの講演+コンサートに行って参りました。
館野さんのCDはかなり持っているのですが、今までナマを見るチャンスがありませんでした。
CDを聴いた時に、失礼ながら「なるほどね。」ぐらいにしか思わなかったからです。
でも、今日、ナマ館野さんを見て、大ファンになりました!
講演の内容は、館野さんの生い立ち、音楽とのかかわり合いをインタビューしていくものだったのですが、
一見すると「エリートの王道」に見える経歴の裏には、実は裏街道を「道草した」ことも多かったとか。
そして、それを愛し、それをとても楽しんできたようでした。
東京での生活、田舎での生活、海外での生活、慶應中高時代、不良の友だち、先生稼業をサボったこと、
クラシック、ジャズ、ラテンから、東欧、北欧などの民族音楽やムードミュージック、愛するお父様の死・・
本当に様々なことを受け入れていらっしゃったからこそ、人間の幅が大きくなられたんだなぁと感じました。
さて、その幅が演奏に出せるかどうかが、演奏家にとっては問題なのでしょうが・・
弾き始めた途端、「う〜ん」と唸った程、それらの経験が見事に凝縮された素敵な演奏でした。
情景が浮かぶし、色彩豊か。うねる、回る、押し寄せてくる!
帰り道、「やっぱり、人間そのものの魅力がある人の演奏はいいね。
そして、それを表現できる技術があるってことも素晴らしいことなんだね。
館野さんは両方持っているから、あんなに感動できたんだ。」とが言い、
「無料コンサートで、こんなに大金払いたい気分になったのは、初めて。」ですって。
フィンランドの夜のように短い牧場の歌のアンコールを聴きながら、
日頃、自分のことにかまけてばかりの母は、
「あぁ、この娘に、いっぱいいろいろな景色を見せて、いっぱいいろいろな経験をさせてあげなくちゃ。」
と改めて思いました。




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