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2009_12/03 (thu)

白道。

愛犬が亡くなってから一年とちょっと経ちました。
が、「navi」という名前をつけたからか、いまだ、私を導き続けてくれています。

先日、彼とよく行った野っ原に行ってきました。
広い空と広い大地。遮るものがない世界。「果て」が見えない世界。
自然を前にすると、いかに自分が小さいかを思い知らされます。
そして、ナビに引っ張られていた時には気付かなかったけれど、
道が無いところは、歩きにくいですね。草の影に障害があったり、ぬかるみがあったり。
なるほど、人々が、安心・安全な道を欲するわけです。
でも、そのせいで、コンクリートで固められた道ができ、信号ができ、沿道に便利なお店ができ、
どこに行っても同じような道がいっぱいでき上がってしまったと思うと、残念でならない。
そして、本物の道だけではなく、人生の道も。
多くの人が、狙いを定め、目標を持って、環境が整えられた「自分の道」を見据えて進んでゆく姿を見る度に、
「任務をこなしているのですか?」と問いたくなります。
作られたものに囲まれ、意図がある世界で生きている悲哀・・・。嗚呼。

なんて思っていたところ、2010年1月11日に催すことになった
イル+milly la foret合同ライブ」のタイトル候補を青木君が送ってきました。
その中に「白道」という文字があったので、全く迷わずそれを選びました。
「はくどう」とは、月の軌道のことなので、月見る君思フというライブハウスの舞台にある
でっかい月と合うとも思ったし、円になっている道=何度も繰り返し通る道、という点でも惹かれました。
(円、輪、回る、巡る、というのに弱いのです、私。)
でも、最大の理由は、真っ白な道をわくわくドキドキしながら歩いていく素晴らしさを、
お客様達と共有したいと思ったからです。

早速、イメージを描いてみました。


左は月目線で見る=いつもの目線とは反対の立場からモノを眺める・・の図、
右は、輪=和、そして、once in a blue moon=めったいにない特別なことを表現してみました。
ライブは、こんなふうになると思います。って、全然どんなだか分かりませんよねぇ、あはは。
でも、それこそが、私の目指す白い道なのです。歩いてみないと見えてこない。。。
でも、振り返った時は、きっと綺麗に見えるのです。そして、もう一度通りたいと思うのです。

必ず「来る時には見えてなかった素敵な道が見えた!行って良かった!」
と思いながら帰路に着いて頂けるライブにしてみせます。
ぜひぜひぜひぜひ、1月11日のライブ、いらして下さいね!!!
詳細はどうぞこちらでご覧下さいませ。

というわけで、最近の私はこのライブ準備を中心に(2ユニット分ですから半端ないです!)
その他の活動も精力的にこなしております。島根健バンドは、デモ録音に入りました。
友遊は、立て続けに演奏依頼が入ってくるので、それに向けて丁寧に準備したり、遠征したり。
あとは、ほぼ通常通り、自転車操業の日々です。

夫は、今月で定年退職、ですが、めでたく同じ会社に再就職させてもらえました。
時々会社に行って、時々フルートを吹きに行って、あとは家でゴロゴロという理想的な老後のようで・・。
そうそう、結婚当時から「なかったことに」と昇給分を社内貯金していたことをすっかり忘れていた私達。
棚から牡丹餅とはこういうことを言うのかな?
知らないうちに貯まりに貯まっていたその貯金で、突然、めでたく家のローンが終了しました。
計画性の無い性格が功を奏し、大笑い。あはは〜。
娘は、サッカーゲームのサウンドチームで、英語と音楽とサッカーとゲームに没頭する日々。
楽しそうだけど、拘束時間があまりにも長いので、体調を心配しております。

最後に、最近出会った素敵なことを、少しだけ書いておきます。(長くなってしまいました!)

まずは、001LIVEでベースを弾いてくれたキースのこと。
キースは、残念ながらあと3日で日本を離れてしまいます。
その最後の日に、milly la foretの新曲にベースを入れてから帰りたいと言ってきました。
その電話を受け取った時は、泣きそうでした。
実は、キースは、あのライブのために、十数年ぶりにベースを買って、特訓して、臨んでくれたのですが、
その頃は、millyの曲について何のコメントもなかったので、
きっと、キース好みではなかったのだなと解釈していました。
なのに友達として精一杯応援してくれていることに、申し訳ないとさえ思っていました。
が、その電話は、数ヶ月間、Signifiant Signifieを何度も何度も繰り返して聴いた末の感想から始まったのです。
その感想がね、、、もうもうもう、本当に素敵で、どーんと胸の中心まで届き、全身が震えました。
あー、もう、どう表現して良いのやら。とにかく、本当に嬉しかったです。

もともとキースは、超前向きでフレンドリーではありますが、
反応が静かで、口も重く、淡白。そして、パタッと連絡が途絶えてしまうことが多いのです。
が、それは決して面倒だからではなく、業務連絡的なものが嫌い、心にもないことは言いたくない、
「適当」や「とりあえず」が嫌い・・ということが、彼の行動から分かるのです。
というか、私自身が、同じような性格なのでよく分かるのです。
一つ一つの言葉や行動に、しっかり気持ちを込めたいので、時間が必要なのです。
なので、その前に誤解を受けてしまうことがままあります。当たり前ですけどね。
だからこそ、今回の感動は、私にとって「救い」でもありました。
沢山のきらびやかな言葉ですぐに反応は出来ないけれど、
じっくりゆっくり向き合った後、自分らしい方法で伝えれば、ちゃんと伝わるなって。
そして、それは、的を射るだろうなって。

キースは、会う頻度は低いのですが、私の大事な心の友です。
キースの日本での最後のベースの演奏、とても楽しみです。きっといい。


次は、マイケルジャクソンの「This Is It!」のお話。
これがどれだけ感動的な映画だったかは、もうあちらこちらで語り尽くされていると思いますが、
やっぱり私も言いたい。
印象的なシーンがいろいろありましたが、私が一番好きだったところは、人を部品として扱わなかったところです。
例えば、ダンスも、世界中の優秀なダンサーを沢山集めてきて、
ここはAチームに、ここはBチームで、というふうにやる方法もあったでしょうに、
少人数のクルーに全てを委ね、彼らを育て、能力を最大限引き出していましたよね。
愛って、まさにこういうことだろうなって思いました。
愛は、与えるものでもなく、与えられるものでもない、一緒に育んでいくものなのですよねー。
それは心の中に築かれるものなので、一生失われることがない。
そして、それは、きっと、時と共に、その人を一生守っていけるほどの存在に膨らんでいくのでしょうね。
思い出になったり、自信になったり、気力になったりして。



そして、三つめ。
先日、友遊のメンバーで行った演奏会の後に、96歳のおじいちゃんが泣きながら感想を述べてくれました。
「今日は、新しい命を頂けました。ありがとうございました。」と。
そのおじいちゃんのお部屋にお邪魔させて頂いたのですが、綺麗に片づいていて、
生きることの尊さというか、有り難さみたいなものを、噛みしめながら生きていることが見てとれました。
ああ、感謝の気持ちって、改めて、大事だなぁと思いました。
また、その演奏会が行われる川越に行く車中で、Mさんが仰った言葉も印象的でした。
「私はね、グルメじゃないの。例え不味い物でも、食べられることは有り難いことよと教わって生きてきたので。」
痛い。。。深い。。。確かに、不味いからといって粗末にしてはいけませんよね。
でも、どうだろう、より美味しく食べてあげることは、食物への愛に繋がらないだろうか。
ということは、どんな素材でも美味しく調理出来る腕を磨けばいいってことですよね。
これは、楽器にも言えることだと思います。どんな楽器でもいい演奏が出来たらいいなぁ。



さて、四つ目は、milly la foret 001LIVEにいらして下さった時間泥棒さん写真です。
ライブの感想メールを送って下さった際に記されていたアドレスを訪ねてみると、沢山の自然の写真!
その中から花の写真を選んでクリックして拡大画像をみた瞬間、
思わず「あっ」と言ってしまいました。
めしべとかおしべとか、花には蜜があるから虫が集まってくることなど、すっかり忘れていました!
大人になるにつれ、私の花のイメージは、色と形だけになっていたのです。
理科の時間は楽しくて好きだったのに、どうして忘れてしまったのでしょう。情けない。

その後、時間泥棒さんに「特に蓮の写真が好きでした」と一言添えてお礼メールを差し上げたら、これまたびっくり!
蓮の花がどれだけ素敵かを綴った長いメールを送って下さったのです。
その内容は、蓮の特徴のみならず、その周りの空気、そして、そこにやってくる虫達の行動、
それを受け止める蓮の反応にまで及んでいたのです。
この「まるごと愛す」っていうのが、私が最も憧れる愛の形です。

ふと、山登りを思い出しました。私は人生を山登りに例えてきたのですが、それは間違っていたなと。
山のふもとから頂上を見ることは出来ないけれど、山の高いところから下はよく見える。
だから上に行くに従って、どうしても、上からものを眺めるようになってしまう。けど、
匂いとか、温度とか、めしべの形とか、そこに近づいてみないと感じられないものが、周りにも沢山あったのだっけ。
そういえば、時間泥棒さんの写真には、上からの目線のもあるし、下からの目線のもあるし、
遠くからのもあるし、至近距離のものもある。
だから、同じ被写体でも年代によって違って見えるのだろうな。
で、発見!
人生は、もしかしたら、山に登ることではなく、「白道」のように、
何度も繰り返して回る道なのかも。
一週目はリーダーに連れて回ってもらい、二週目はその経験を生かして一人で周り、
三週目は新しい友と周り、四週目は若者に引っ張られて廻る・・ってな具合に。

ふふふ、そんなことを考え出したら、また、白道ライブのアイデアがいっぱい浮かんできてしまいました。

うぉぉぉぉぉぉぉおぉぉおぉぉぉぉぉぉーーーーー!
武者震い。。。

そうそう、白道ライブで私達とコラボしませんか?

写真と動画を募集中です。詳細はメールにてお伝え致しますので、
どうぞこちらのページからお問い合わせ下さいませ。
宜しくお願い致します。

よーし、明日からも頑張るゾ。


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