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吐きそうになりながら、自分に課した任務をこなす。
誰に命令されたわけでもないのに、ひたむきにやり続ける。
一旦始めたことは、諦められない。

どうしてなのだろう。
どうして私はこうなのだろう。

・・と思う日々をまたまた送っておりました。

時々、自分の性格がとても嫌になります。
「こうしたらもっと良くなる」「もっと喜んで貰える」
と思ってやってはいるのだけれど、追求する心は、周りの人にも負担を強いることになるし、
時に人を傷つけてしまうこともあるし、
良かれと思ってやったことが、too muchだったりすることもあるからです。
こだわりを捨てたらラクになるだろうなぁ・・・といつも思います。

でも、大体そういうふうに思い始めると、
必ず、こだわりや追求する心を持った素敵な人の話に出会うことになるのです。
不思議だなぁ。お天道さまの仕業ですかね?
毎度、後ろを振り返ったり、天を仰いだり。

今回は、私が愛してやまなかった伊勢原のパン屋さん「ブノワトン」のご主人の記事でした。
去年若くしてお亡くなりになってしまった高橋さんは、生前から超こだわりの人で有名でした。
素材にこだわり、製粉も自分の手で行い、こねる速度や焼き方にもこだわる人で、
強烈な個性を放っておられました。
その高橋さん、新聞によると、胃ガンが発見されてから亡くなるまでの5年間、
パンへの思いやこだわりを弟子たちに植え付け、引き継がせていたとか。
すごいなぁ。強い人だったのだなぁ。
それほどまでに自分のやり方を信じられるなんて、うらやましい。
いやー、常識を打ち破ったあの美味しさを実際に頂いた者としては、
見習うしかないですかねぇ。
そこまで出来ないにしても、 「too much」なんて言葉は、今後、口にするのはやめることにします。
まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ、
もっともっともっともっともっともっともっともっと、自分に出来ることがあるはず!


さて、前回日記を書いてから何が起こっていたかと言いますと、

10月30日は、奈良の天然記念物の大ムクのある足立邸のコンサートに出させて頂きました。
音楽、写真、笑顔、犬たち、台風を寄せ付けずに待っていてくれた奈良の空、
美味しい空気、上品で優しい足立家の人々、誠意の塊のような夢笛のメンバー達、
遠路遥々集まって下さった方達の澄んだ目、
全てのものや全ての人々の根っこに優しさを感じることが出来た、「心の洗濯」のようなコンサートでした。
足立家から、生きる美学・・のようなものも学ばせて頂きました。
「木を1000年生かすことが出来る精神性」は、一日にして成らず。
代々受け継いでいくこと、遺していくことの素晴らしさを体感し、
上っ面がどうであれ、根っこに愛が注がれていれば、
必ず良い方向に向かっていくということを学ばせて頂きました。
そうそう、このコンサートの為に作った「二見の大ムク」という曲、
地元の小学校で郷土愛を養うために歌って頂けるようです。嬉しいな。
ノンキーのように、いろいろな人に愛して貰えますように・・

 

ライブ出演はもう一つ、11月29日に「イルの羽化」ライブがありました。
milly la foretの初プロデュース・ライブということで、
音楽だけではなく、アートワークも小道具作りも映像制作もチケットの予約受付も(笑)、
とにかく、ライブをやるために必要な準備の全てを、二人だけでやりました。



前日の真夜中は、こんな状態から(綺麗になったステージの写真も載せようと思ったら、手元に無かったです。後ほど)
6時間かけてステージを組んで、システムを組んで、サウンドチェックして、リハしました。
で、朝方独りで運転して帰ってきて、数時間横になってすぐまた運転して会場に行って、リハして本番という強行軍。
ありえない。。。
毎度「大変だった」と言っているような気がしますが、今回は本当にしどかったです。
物理的なしんどさは、まあいつも通りのことなので、耐えられましたが、
何が耐えられなかったかというと、「綱引きをする相手」が居なかったことです。
「さ~頑張るぞ!挑むぞ!」とやる気満々でポジションについたのに、
相手が引っ張ってくれない、というより、来なかった、という感じでしょうか。
「あれ、私達、何しにここに来たんだっけ?」みたいな。
それでも、イルを刺激し、イルの力を引き出すことが、結果、イルが無事羽化出来ることに繋がると信じ、
俊輔君と掛声をかけつつ、精一杯引っ張り続けてみました。
その結果は、、、うーん、どうだったかなぁ?
ライブ自体は上手くいったと思うし、本当に沢山の方々から
「感動した」「良かった」という高評価の感想を頂けたのですが、、、
私は正直、未だすっきりしない心境から開放されていません。
ひょっとしたら、これこそがよく言われる「花嫁の父の心境」なのかもしれません。


観る方は、
この世で最も憧れている女性、Charlotte Gainsbourgの東京公演、
それから今、はまりにはまっているアーティスト、Jonsiの名古屋・東京公演が、
独特の世界観で、想像以上の素晴らしさでした。
アート、音楽、演技・・・いろいろな才能を十二分に生かしたステージは、
こだわりの塊で、バックメンバーの配し方も独特。
CharlotteもJonsiも、お洒落で多才な上、とても美しく、本当に素敵でした。
フランス熱、アイスランド熱が、どんどん高まっていく・・・。

シバノ・ジョシアのアイスランドの写真展や、
ずっとずっと観たかったLucie Rie展にも行ってきました。
ビビビビビと感じたモノには、やはりそれなりの理由があるものですねぇ。
他人からの評価や儲けに左右されず、「自分らしさ」を守るひたむきな姿勢、
そして、周りの人にも自分にも、自分のやっていることにも注がれる愛、が、
どうやら私のツボのようです。

「自分らしさ」といえば、10月25日に銀婚式を迎えました。
子育てと家事には、世間の波に飲まれることなく、誰が何と言おうと、
自分のスタイルを守り抜いてきた自信があります。
(まだまだ音楽には出し切れてないのですが。とほほ)
結果、所謂世間で言うところの理想の家とはかけ離れていますが、
私の目標であった「旅立つところ、帰るところ」という意味では、
いい感じの家を築けたと思います。



↑は、娘がよく買ってきてくれるSadaharu Aokiのケーキですが、
小さい中にいろいろが凝縮されて入っていて、甘さと酸味と苦味のバランスが良いのです。
形も装飾も独特。で、全てが控えめ。
頂きながら、いつも「こういうまとまりがいいな」と思うのです。

母のところへは、一ヶ月に一度、行っているのですが、
認知症は少しづつ進行しているものの、とても穏やかに暮らしております。
この間行った時は、ピンポンを鳴らすと、「今ね、歌を歌ってたところー。」
と笑顔で飛び出してきて、私達を招き入れた後、美空ひばりの歌を歌ってくれました。
温泉では嬉しそうにいろいろなところを見てまわり、
「私、昔から好奇心が強いのよー。」と終始ニコニコ。
さっき何をしたかはきれいさっぱり忘れていくのに、
古い写真に写っている人の名前は、全て言える母を見て、
脳の不思議を感じざるを得ません。
人様にご迷惑やご面倒をおかけしてはいますが、
悪いことは全部忘れてしまい、人を頼り、人に感謝しながら生きる母を見ていると、
これで良かったのかもと思います。

最後に、お知らせです。

ついに、やっと、ようやく、milly la foretのバンドライブをやれることになりました!やったー!!!

1月29日(土)の昼、12時半から下北沢440で、です。

めちゃめちゃ楽しみです!
CharlotteにもJonsiにも負けないくらい素敵なライブにしようと、今から意気込んでおりますので、
ぜひぜひいらして下さいませ。詳細は決り次第NEWSのページに載せさせて頂きますが、
とりあえず、2011年のスケジュール帳に、まず「milly la foret LIVE」とぜひご記入下さい!

そして、その次の日1月30日(日)には、アンサンブル友遊とコンソート野ばらの
合同コンサートがあります。懐かしの横須賀ソレイユの丘で。
大丈夫か、私?
その他、制作系も複数同時進行中です。恒例の「年末年始、ドロドロ状態」に陥りそうです。


そうそう、修理代126000円と言われたMacBookProは、
五州貿易の腕利きエンジニアが、その3分の1以下の値段で修理して下さいました。
最近のMacの液晶は強力な両面テープを使っているので、appleは、パネルごと廃棄してしまうのだそうです。
それを少しづつ丁寧にはがし、使えるものは使いましょうという方法で。

Mac、すごく好きなのですが、最近のサポートにはちょっと閉口気味です。
物を大事にすることは、エコに繋がるだけではなく、自分の技術を磨くことにもなるし、
人の信頼も得られるのにぃ。
↓こんなふうに言われてますが・・・。



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