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2010_04/13 (tue)

有り難い日々。


この指止まれ・・と声をあげてから1ヶ月経った一昨日、
ノンキー青空市4に賛同し、出演して下さるメンバーを発表させて頂きました。
前回参加して下さった皆さんには、「断りにくいなぁ」と思わせたくなかったので、
あえてまとめ送りメールでご案内し、
webでの告知は、主旨に賛同した上で参加して欲しいことから、newsのページにのみ
ひっそり載せておいたのですが、意外や意外、沢山の方々にすぐに反応して頂け、
おかげさまで素晴らしい青空市を開催することが出来そうです。

ある人が「誰も止まってくれなかったらどうしようと思わないのですか?」
と聞いてきました。それは勿論ありますとも。
反応がないかもしれないと思う恐怖は、かなり強いストレスです。
でも、だからこそ、この指に止まってくれた時の喜びが、尋常ではないのだと思います。
この喜びが恐怖に勝つから、前に進めるのだと思います。
スケジュールを合わせるのは大変だったでしょうに、賛同して下さった皆さんに心から感謝です。
「参加して良かった」と思って頂けるようなイベントにしますね。

演奏の他に、クライミングの講習会もして頂けることになりましたし、
なかなか見られない世界屈指のプロクライマーの小山田大ちゃんのパフォーマンスもあります。
青空市4、乞うご期待です!
詳細ページはこちらです。どんどん情報を載せていきますので、ぜひご覧下さい。
http://nonky.miorio.net/


さて、この1ヶ月半、私はまさに不眠不休でした。(と、毎度書いているような気がしますが。)
父が危篤になり、病院から付き添いを命じられたので、
横浜で家事と仕事をこなし、浜松の病院で父の介護をするという二重生活だったからです。
どうして具合が悪くならないのだろう、と不思議に思うくらい過酷な日々でしたが、
さっき走ってみたら、全力疾走出来ました。ははは。
でも、私より頑丈な身体と精神力の人が居ました。父です。

身体中に癌が広がり、さらに合併症も豊富な父は、身体の中が水浸しで、
先生が「生きていることが不思議」という状態なのですが、
ふらふらになりながらも立ったり座ったりして、床ずれを予防したり、
薬を何十分もかけて飲み込もうと努力するのです。
痛み止めの麻薬の影響で、幻覚も激しく、おかしなことを言ったりやったりすることもあるのですが、
頭がクリアな時は、理路整然と話し、看護士さんを気遣ったり、母のことを心配したり、パソコンにも向かっていました。
そして、「もうこれしか方法がありません。多分、無理です。」という実に悲観的な手術を
先週受けたのですが、これも見事制しました。
手術の次の日には上体を起こし、イキイキとした顔で
「幸せだなぁ。今日は、一生で一番幸せな日だ。」と言って皆を驚かせたのです。
さらに、もっとびっくりしたのは、その後、呼吸困難に陥いり、
「恐らくこれで本当に最期だと思います。言葉をかけてあげて下さい。」と言われた時も、
ひたすら「頑張ってー!」と言い続けた私に、うんうんと頷き、次の日、約束通り生還しました。
そして、、、はい、まだ生きております。麻酔で渾沌としてはおりますが、意識もあり、
「美味しいものを食べにいく約束をしたよね?」と言うと、首を5回も縦に振ってくれます。
生命力の強さ、諦めないことの素晴らしさを、まざまざと見せつけてくれています。

「人生は小さな戦いの連続だよ」と父がよく言っていたのですが、
「戦いを制し、喜びを得る」を繰り返していくうちに、大きな戦いに挑めるパワーを得るのかもしれませんね。
ドラクエみたいに。
今、生きる力を失いかけている人がいるとしたら、父に会わせたいなぁ。

そんな父と、思いがけず、何日も枕を並べて生活出来たことは、大変貴重な経験でした。
最後に孝行したいと思って行ったのに、力を貰ったのは私の方でした。
父からさまざまなことを学び、看護士さんからもいろいろ学び、
私が知らなかった父の側面を発見し、何度も感謝して貰ったことで自分の存在に自信が持てたし、
何だろう、よく分からないけれど、瀕死の父の傍らにいても、全く寝られなくても、
悲観的になることはなく、良い感情がどんどん溢れ出てきています。
このひとときは、神様と父からの最後のプレゼントだったのかもしれません。




認知症の母も、父が居ない生活を受け入れようと、必死に努力しています。
「覚えられないことは書けばいい」と父にアドバイスされたようで、毎日日記を書いたり、
父へのお手紙を書いたり。そして、それを読むことで外付けHD的な「記憶」を手にしております。
ちらっと覗いたところ、日々、助けてくれる方々への感謝の気持ちや、感動したことなどを綴ってありました。
いろいろを失ったけど、代わりに一番大事なものを得たような・・ 。
先日、知的障害者施設へ演奏に行った時も感じたことなのですが、
頭を働かせるっていうのが、実は諸悪の根源なのかもなぁ・・なんて思ってしまうくらいの穏やかな生活です。
演奏直後、だだだだーっと走ってきて、耳元で「ありがと」とささやいてくれた男の人の声が、
今でも胸の中で響きっぱなしです。 ちょっと羨ましかったかも。
あんなふうに澄んだ目で「ありがとう」を言ってみたいなぁ。




「ありがとう」といえば、オペラ歌手のNさん率いるシマネ健バンドのライブも、無事終了したのですが、
Nさんが「美織さんにお礼がしたい」と、milly la foretとのジョイントライブを申し込んできました。
「ん?お礼?それだと、私、めちゃめちゃ大変になるのですけど。」
と最初は思ったけれど、こんなにわくわくドキドキするプレゼント、久しぶりです。
人の心を揺さぶる達人ですね、さすがです。

さてさて、 そんなこんなの日々だった私ですが、これからしばらく締め切り仕事との戦いです。
浜松通いも続くことでしょう。
でも、友と会う約束もしたり、合宿の計画もあるし、大分にも招待されているし、
楽しみも沢山です。なので、頑張ります!



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