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2010_10/11 (mon)

雑記

世界が川で、自分はその川に生息する魚だなぁと、この頃、思う。
流れに逆らったり、立ち止まれば、抵抗が強くなる。
かといって、適当に流されていると、あらぬ方向に流されていく。
ぼーっとしていると貴重なチャンスを見逃してしまうし、
頑張り過ぎると淀みにはまってしまうこともある。
メインストリームで上手く流れようと思うと、大変です。
だから、細流に魅かれるようになったのだろうなぁ。

「美織さん、有名になりたいとか、お金持ちになりたいと思わないですか?」と
よく聞かれるけれど、それに注ぐエネルギーがあったら違うことに注ぎたい。
先日、一緒になった貧乏で一所懸命で優秀なドラマーさんが、
「お金が必要じゃないというわけではないけれど、貧乏でも不幸じゃないってことです。
やりたいことをやれているから。 」ときっぱり言ってくれたので、
思わずスタンディングオベーションしてしまいましたよ。
ほーんと、自分の居場所を見つけて、自分のやりたいことが出来ているってことが、
究極の幸せだと私も思います。


さて、この2ヶ月の間に、あちらこちらへ旅する機会がありました。
ふだんの生活の場から離れると、いろいろなことへの感度が上がっていいですね。
そして、没頭していることから少し離れてみると、また新鮮な気持ちで向き合えることも分かりました。
おかげでとっても元気な最近です。


京都では、偶然、素晴らしいお店に出会うことが出来ました。
何が良かったのかというと、「間」の美学があったことです。
何も無いとは違う「間」。気を遣って、エネルギーを注ぎ込んで、作り上げた「間」。
それは店内の「間」に留まらず、お皿の上にも、料理を運んでくる時間にも在りました。

実は私は「間」フェチなのです。いかに素敵な「間」を作るかが、日々のテーマなのです。
インテリアは勿論のこと、字や絵の配し方、楽譜の余白、服装においての「間」、会話の「間」・・
そして、もっとあるのが、音楽の「間」に対してのこだわり。
そう、動いている音以上に、休符やロングトーンにこだわってしまいます。
と言うと、よく勘違いされ、「じゃ、音数が少ないのが好みですか?」
と言われるのですが、「入ってない」のと「間を作る」のは、違うのですよね。
陶芸家作の白い器と100円ショップの白い器を比べた感じでしょうか。
素敵な「間」って、気遣いとしっかりした技術・基礎があってこそ作り出せるものだと思うのです。
だから憧れるのですよねー。

その「間」ですが、恋い焦がれて行った屋久島でも発見しました。
ビョークが長期滞在していたという宿に泊まったのですが、
それはそれは見事な「何も無い良さ」を築き上げた宿でした。



ご主人の「何も無いところですが・・」と言った時の鼻の穴の膨らみを、私は見逃しませんでしたよ。
おばあちゃんちに居るような心地良さなのに、日常を忘れられるって、凄いことですよ。
でも、よーく観察すると、細部までこだわっているからこそ、それが可能になっているのが分かります。
ロープを引っ張ってお風呂の屋根を自分で動かして露天風呂にしてから「星を見て下さいね」などと、
心が踊るような仕掛けもあったりしたので、終始ニヤニヤの私達でした。







屋久島って、自然が素敵で有名ですが、私は、屋久島に住む人々に、まず、感心してしまいました。
自然も動物も、島の人々が守っていることが見てとれたからです。



「そのままにしておく」ということは、「間」を生み出す気遣いに似ているような気がします。
安易な優しさでは、守れない、作れない。
サルや鹿がそこかしこに居るのですが、放っておくことで共存しているのですねー。



話は逸れますが、前回行った時に知り合ったクライマーでガイドのHさんに、
今回、太忠岳登山(縄文杉を希望していたのですが『人のお尻を見て歩き続けることになりますよ。
それよりもマニアックな屋久島らしいところに行きませんか?』とアドバイスされて決めました)
のガイドをお願いしたのですが、いやー、びっくり!あんなに完璧な人、久しぶりに見ました。
人の能力も気持ちも、どんどん上げて下さる方で、一日一緒に居ただけなのに、
登山のことも、スポーツのことも、自然、屋久島、世界遺産、歴史、地理、理科・・etc
全てのことに詳しくなってしまった私。。。いつもはとても記憶力が悪いのに。
学生の頃、あんな先生に、あんな風にして教えてもらっていたら、もっと・・、と思わざるを得ませんでした。
屋久島へ行かれる方は、ぜひ彼にガイドをお願いすると良いと思います。超お薦めです。
あ、おかげさまで1500mの太忠岳、制覇しましたよ!達成感。



勿論、人々だけではなく、自然界のものはどれもみなまぶしいばかりに生き生きとしていました。
創造主がなぜ彼らを各々の場所に配したのか、よく分かりました。
岩盤の痩せた土壌だからこそゆっくり密度を増して育つことにより、何千年も生き続けられた木の話は、
飽食の毎日、情報の洪水の中で生きている私達に対する警鐘とも取れました。
必要最低限で良いのですよね。
私も島に移り住みたいなぁと心底思ったほど、屋久島は素敵でしたが、
恩恵を受けて生きている私達にとって「受け入れる」って大事なことだということも学んだので、
私は私に与えられた場所で、与えられた任務を、与えられた能力を駆使して、頑張ろうっと。


自然・老木といえば、夢笛keiさんの紹介で、
国指定天然記念物である「二見の大ムク」の前で10月30日(土)にコンサートを開かせて頂くことになり、
その会場の下見にも行って参りました。



↑時間泥棒さん撮影

樹齢約1000年の大ムクは、言わずもがなとても素敵でしたが、
古民家の良さをそのまま生かしてリフォームしたお屋敷もとても素敵でした。
その建物を見守るようにそびえ立つ木の前で演奏させて頂けるなんて、本当に幸せ者です。感謝~。
場所が場所だけに、今回、初めてmilly la foret二人だけで演奏することにしたので、ちょっとドキドキ。
夢笛さんとのジョイントもあり、この木のために作った曲を演奏しますので、
お近くの方はぜひいらして下さい。可愛いワンコ達もおります。
詳細はこちらです。




ライブといえば、10月1日は、シマネ健バンドのデビューライブ&CD発売日でした。
健さんは、知れば知るほど凄い人です。360度見渡し、全てを把握し、気を遣える人。
まとめる能力って先に立って歩けることだと思っていたけれど、違うのね。
掴むのですね、手じゃなくて人間性で。
そして、新メンバー、ベースの六川さん、ドラムの植村さんとも「いえ~ぃ!」ってな感じで
仲間になれました。満員御礼、熱いライブでした。



ライブ後のなんともいえないあの高揚感は、病みつきになりますねぇ。ああ、早くライブしたい。
次は来年5月1日、松江城まで今回のメンバーで遠征します。初島根です!楽しみ。


ライブと言えば、なんと1月の「白道」ライブの打ち上げも行いました。
9ヶ月経ってもしっかり忘れずに打ち上がるところが我らです。
そして、よそ様の犬を独占。皆で独占!遊びまくりー。




次は「白道」のような合同ライブではありませんが、11月29日(月)に、
milly la foretがプロデュースするイル・ライブを開催します。
milly la foretイルの色は正反対ですし、目指している方向も違います。
が、だからこそ面白いかも。
今回は訳あってmilly la foretの趣向でmilly la foret主導で行う予定なので、何が飛び出すか乞うご期待!
出会った頃の音源や映像を掘り出してますよー。
詳細は、newsのページに載せておきました。ぜひ!

というわけで、年内に予定していたmilly la foretの単独ライブは、難しくなりました。
でも、1月下旬~2月上旬頃に例のミュージシャンの面々にサポートして頂く豪華ライブを催す予定です。
今から気合い入れて準備しています。
そうそう、キースに続いてロブもニュージーランドへ帰国してしまいましたが、さっすが前向きロブで、
3月オークランドで行われる夏フェスにmilly la foretでエントリー交渉中とのこと。
もしかしたら、ニュージーランド遠征もあるかも~。いえぃ!
と、浮かれている場合じゃなく、二人だけで演るライブも、春から定期的に行うつもりです。
なかなか他の仕事に追われていて思うように動けていませんが、
水面下ではいろいろ準備しておりますからね。実は、一番時間をかけているユニットですから。


それから、新しい楽器を二つ購入しました。
一つはU900モデルのウクレレ。可愛いでしょう?音もなかなか良いのですよ。



本当は左のヴァイオリン型が私のだったのですが、持ってみたら巨大女に見えたので、
こっそり俊輔君のパイナップル型と交換しちゃいました。なぜだか、パイナップル型は巨大に見えないので。

もう一つはゲムスホルンという角笛です。これはテナー。



一聴惚れしてからすぐにイギリスの楽器屋さんに注文してあったものが、4ヶ月半経てようやく届きました。
ほぼリコーダーの指使い、吹き方で演奏出来ます。友遊で9本購入したのでアンサンブル出来ます!楽しみー。
シャーっという風の音が混ざったような音色が素敵です。


最後に、数日前の出来事を。
コンソート野ばらの練習が終わり帰ろうとしていたら、訳あって3ヶ月ほどお休みしていたHさんが、
タクシーから降りて走ってきました。
「今日から復帰したかったのですが、どうしても無理だったので、
せめて楽譜だけでも頂こうと思って。」と。素晴らしい~!
私の周りは、こんなふうに「向き合い方が良い人」が多いです。
それを偶然だとずっと思い込んでいたのですが、
手作り餃子とそれを焼くためのフライパンやら楽器やらを抱えて遊びに来てくれたYさんが、
「美織さんと付き合うのは大変なのよ~。」と言いながら、その理由を教えてくれました。
どうも私は無言のプレッシャーを与えているみたいです。
すみませんです。
でもですよ、どんな理由であっても、人のサインを受け止め、
言葉で返すだけではなく、行動出来る人はとても素敵だと思います。

ああ、みんな大好き!・・と思える幸せなこの頃。


追記
・・と書いてアップした途端、アップルストアからTELあり。
「先日お預かりしましたMacBookProの修理代のお見積もりが出ました。
126000円になります。」って。じゅうにまんろくせんえん~??
まだ、購入して1年半ですよ。貧乏でもいい、なんて書いたからかな?

ちーん。


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