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2013_01/22

深淵

私は父に「3秒考えてからモノを言いなさい」と言われて育ちました。
「どうして?」と尋ねると、「どうしてそうした方が良いかは、自分で考えなさい」と。

なので、最初は、「人を傷つけるような言葉は言うな」ということだろうと思い、
気に障るような言葉を吐かないように気をつけてみました。

ところが、すぐに違和感を覚えるようになったのです。
自分が自動販売機になり、そこから「素敵ですね」という声が出ているような感じ・・
自分の「存在」がそこに無い感じなのです。
しかも、 相手にとって、それが良いことかというと、そうは思えず、
どちらかというと、自分が良く思われたいがためにそうしているように感じてしまう。
確かに不快感は与えてないかもしれませんが、
ここから良いものなど生まれるはずがない!と思いました。
 
というわけで、もう一度考え直しをしてみることに。
今度は、「口にする言葉を、安っぽくするな」というふうに解釈してみました。
 
例えば褒める時、誰にでも何にでも「素敵ですね」と言っていたら、
その「素敵」という言葉のパワーは小さくなってしまうと思うのです。
その反対に、年じゅう、愚痴・文句の類を言っている人に、人は耳を貸してくれなくなります。
良い言葉も悪い言葉も、多過ぎるといけません。
出来れば、私は「多過ぎ」どころか「普通」も避けたいですねぇ。
だって、自分の吐く「ありがとう」も「素敵ですね」も「それはよくないと思う」 も、
パワフルであって欲しいですもの。
 
ならば、どうしたらいいか。。。
 
まず、何にでも適当に言わないこと、ですかねぇ。
そして、ここぞというタイミングに、言うべきですかねぇ。
さらに、どうしてそう思ったのか、理由を付け加えるべき、ですよね。
 
というわけで、3秒のうちに「適当に言ってないかな?」
「このタイミングでいいかな?」「理由は・・?」と、自分に問うようにしてみました。
そしたら、びっくりすることに、最初はあっという間だった3秒が、
とても長く感じるようになり、3秒の間にいろいろ考えられるようになったのです!
そして、私の口からお世辞も嘘も消え、心が軽くなりました。
 
ところが、またすぐに壁にぶつかってしまいました。
今度は、言葉の意味はちゃんと伝わっても、
その方法論がぜんぜん素敵じゃないことが気になってきたのです。
「ありがとう」を言う時は「ありがとう」の言葉の意味だけじゃなくて、
私の心の中のヒダヒダや温度や色合いや、その人への気持ちも含めて言いたいのに、
言葉の響きしか伝わってないのが、とても哀しかったのです。
はて、どうしたらいいのか・・。
 
それを悶々と考えること数年!辿り着いたのが「創造力」でした。
「創造力」とは、1のことを100にも200にも膨らませることが出来る魔法であり、
「これぞ自分らしさ」と言い切れる素晴らしいモノ!
ただ、難は、そんなに簡単に手に入らないし、高度な技術を要するし、非常に面倒なことですよね。
ま、簡単ではないからこそ、一生を賭けられるような気もしますし、
急に手に入るものではなく、徐々に徐々に進化していく感じも、私にとっては、非常に魅惑的です。
そして、最近になって、イイ創造力は、観察・分析能力も育つことに気付きました。一石二鳥。。。

・・・・・・・
と、「3秒考えてからモノを言いなさい」について考え始めてから、
数十年が経った今も、私は思考という洞穴を堀り続けています。
一つの言葉も、一つの文章も、一小節のメロディも、小さなデッサンも、
そこに深さがあれば、長く素敵な旅の「入り口」になり得るし、
その旅から、いろいろな力を得ることが出来ることを、この言葉から教わりました。

私も、人に良い影響を与えられるような深い言葉や音楽を
是非発せられるようになりたいと、今、強く思っています。
「便利・簡単は、創造の大敵よ!」と、なまけそうになる自分に発破を掛けながら・・。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

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○○● お知らせ ●○○
静岡県浜松市でmilly la forêtのライブを行います。お近くの方は、ぜひ!
2013_1/26 (sat) open 14:30 start 15:00
コンサートサロン夢汎ホール(静岡県浜松市)
詳細は、こちら

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○○● 御報告 ●○○

は、次回に・・・




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