venus

サルトル

2017_07/15 updated


歯磨きをしている時に、
「言葉」や「メロディ」や「アイデア」や「レシピ」を思いつくことが多いのですが、
先日「サルトル」という言葉が降りてきました。

学生時代にはまっていた哲学者のサルトルのことです。
心が内に向かい始めると、必ずその言葉が降りてくるから不思議です。

存在ありきで、本質は自分の手で選びとっていかなければならないというサルトルの「実存主義」は、
若くてエネルギッシュだった頃の私の心を鷲掴みにしました。
ボーヴォワールとのお互いに束縛しない事実婚も、
衝撃的かつ素敵だなぁと憧れましたし、
年をとって身体が退化しても、
彼の心がどんどん進化していったさまは、私の「希望」になりました。
ナイフのように、役割を想定して作られたモノではなく、
人間は、自分の役割も生きる道も自分で決めるべきなのだ、
という思想は、「自由」の心髄を考えるきっかけにもなりました。

ただ、サルトルの考えは、母から影響を受けた
「お天道さまが見守ってくれている」という考え方とも、
カトリックの高校・大学〜イギリス留学で培った
「創造の神が存在する」教えとも相反するもので、戸惑ったことも事実です。

正直、お天道さまが見守ってくれていると思う生き方の方が、ずっとラクですものねぇ。
道もない標識もない広野に一人立ち、
「さあ、好きに道を切り開いて進んでいきなさい」と言われると、
途方にくれますもの。
それに、自由を獲得するには、
大きな勇気と覇気と辛抱強さと能力と周囲の理解が必要です。
残念ながら、私にはそこまでの勇気と能力と覇気がなかったので、
結局「お天道さまありきの生き方」の比重が多くなってしまったのでした。

でも、サルトルの心意気は「憧れ」として私の心にずっと残っていて、
私の背中を時々どーんと押してくれていました。
「美織さん、たまに大胆なことをするよね」と言われるのですが、
サルトルさまのおかげだったのです。

ただ、年をとったせいなのか、そういう時期なのか、
このところ、心で思っていることを行動に移せないでおりました。
2ヶ月前、「天命」という日記を書き、
その前は「享受する」という日記を書きました。
内容を読み返すと、茨の道を切り開こうという覇気も元気も感じられません。
サルトルの心意気も全く感じられません。
こんなに弱ったのは、多分人生初だと思います。

でも、闇の中でこそ光の有り難さを感じられましたし、
少し元気になってきたら、サルトルの言葉の中で一番好きな言葉である
「自由であること、それは望み通りのことが出来ることではない。
出来ることをやりたいと望むことである。」
がしっくりきたので、
そういう経験をして良かったなぁと今は思っています。

旅立って帰ってくる、天まで上ってからねぐらに帰る、
というような、行ったり来りをテーマにしたものが私の歌には多いのですが、
その根底に流れている「悪い時も良い時も、戦う時も休む時も大切にする」心は、
よく考えてみると、キリスト教からもサルトルからも教わったことでした。
どちらも要は「大切に生きる」ってことですよね。

私、それにはちょっと自信があります!

ある方が「自分が選んだ乗り物(方法)に乗って自分が行きたい場所を目指していれば、
わざわざ探さなくても、そのうちあなたにぴったりな仲間に出会えますよ」
と言ってくれたのですが、
今回、それを実感しました。
いつのまにか、私は私を助けて下さる方達に囲まれていたのです。
友も仲間も「誰でも良い」では悲しいです。
誰しも「この人に出会えて良かった」と思える人に出会うべきだと思います。
それには、自分の信じる方法で、自分の目指す目的地に向かって
ひとときひとときを大切に進み続けていくことだと信じてきました。
ブレずに進んできて良かったです。

大切にしたいと思っている人達のために、
今出来ることを心を込めてやろう!
というエネルギーが、今は戻ってきています。
出会えて良かったと思える方々のおかげです。
心から感謝しております。

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さて、その一弾として準備を進めている次回ライブのお知らせです。

milly la foret LIVE036「シネマ」

036LIVE

2017_8/26 (sat) 13:30開場 14:00開演

@横浜山手イギリス館 (横浜市中区山手町115-3)
みなとみらい線「元町・中華街」駅下車
6番出口アメリカ山公園口から徒歩6分
※エスカレーター又はエレベーターをご利用頂けます!
\2,000

様々なものの影響を受けているなぁと日々感じておりますが、
その中でも多大な影響を与えてくれているのが映画です。
触発されて創造力をかきたてられたり、
道徳心が芽生えたり、毒気にやられて寝込んだり・・・
観た後、美意識や考え方だけではなく、
生き方さえ変わってしまう時もあります。
そんな私達に影響を及ぼしてくれた映画を集めます。

詳細、ご予約はhttp://millylaforet.com/live.html


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それから、作編曲家の大村雅朗さんの本「作編曲家 大村雅朗の軌跡 1951-1997」が出版されました。
どうやって才能を開花させたか、
どれだけアーティストやスタッフ達に愛されていたか、
どんな作品を遺したか、
などが詰まっている素晴らしい本です。
丁寧に取材し、きちっと紡がれた本って、やっぱりいいですねー。
私もコメントを寄せさせて頂きました。至極光栄〜。




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