人にも自分にも厳しく、常に上を目指し努力を惜しまなかった父が、
初めて私を褒めた言葉が、「優しい」とは、意外でした。
ちょっぴりショックでもありました。
私が努力して獲得したあれやこれや、頑張って築き上げたいろいろを、
見てくれてなかったのかぁ・・と、思えたし、
優しい心は誰にでもあるし、生まれた時から持っているし、
特殊技能でもないし、珍しくもないし、難しいことでもないし、
当たり前のことだと思えたからです。
でも、ふと「あなたは本当に優しいの?」と自分に問いかけてみたら、
胸を張って「はい」と返事が出来ないことに、気づいてしまったのです。
その日以来、何をする時も、父のその言葉が思い出され、
「優しい気持ちを持ってやっていますか?」と、自分に問うようになったのです。
よく楽器をマスターする時や、勉強する時、料理する時、
やり方と手順が分ると、出来た気がしちゃうのですが、
実際は、思っているほど簡単ではなく、かなーり頑張らないと良い結果を生めませんよね。
あれと同じで、「優しい気分」でいるだけでは、何も解決しないことを、思い知らされました。
ああ、「優しい」って難儀。
でも、いい音も、いい食物も、いい空気も、いい環境も、いい友達も、優しさから生まれる・・
ならば、是が非でも優しい人にならなければ!
父は、そうなることが分っていたから、そう言ってくれたのでしょうか、
最期に素晴らしいことを教えてくれたと、今は、ただただ感謝しています。
・・と、ここまで書いたところ、敬愛しているStingの「Sting/25years」が届いたので、
早速ペラペラとめくってみたところ、、、びっくり!
偶然なのでしょうか?お天道さまの仕業なのでしょうか?
「死の床で父に初めて褒められて泣き崩れた」話が書かれてあったのです。
しかも、Stingも「自分は父の称賛に値する人間なのだろうか、と考え続けている」
と書いてあるのです。
半世紀をかけて吐き出された一言だったからこそ、そこまで影響力があったのでしょうね。
人の人生を浄化・活性化出来る「重みのある言葉」は、
長い長い期間をかけて、少しづつ少しづつ築き上げた信頼関係の中でしか生まれないし、
通じないものだ、と信じてきたけれど、
「間違ってなかった」と思いました。
今年も、きっと思い通りにならなくて落ち込む日があることでしょう。
挫けそうになることもあることでしょう。
けど、どんなことが起こっても、父が認めてくれた優しさの根っこを守り抜き、
焦らず、地道に、空に向かって、少しづつ少しづつ育っていきたいと思っています。
いつか私も「重みのある言葉・音楽」を大切な人に遺せるように・・・。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
2011年の総括(備忘録)
2011年は、大変な年でしたが、だからこそ得たことも多かったし、
私にとっては、実は、新記録が多かった記念すべき年でもありました。
ライブに出演した回数が今までで一番多く14回、
うち野外ステージ2回が初体験、
海外演奏ツアーも初、
アコーディオンで出演したのも初、
お客さんが小学生4人+先生4人という最小記録もありました。
総制作日もレコーディング日も、たぶん最多、
浜松の実家に行った回数も最多、
浜松での演奏会も初でした。
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