巨匠達の足下に遙か及びませんが、
私も、日々、音楽を奏でたり作ったりしているなかで、
「クリエータは、周りの人を信頼しながらも、
深い孤独の中に生きざるを得ない人種だよなぁ」としみじみ思うことが多いです。
贅沢病と言われればそうかもしれませんが、昔は「好き」とか「いいね」とか言われるだけで、
とても嬉しかったのが、だんだん二者択一で選ばれてもなんだかねぇ、、、
誰にでも何にでも「いいね」って言う人に「いいね」と言われてもねぇ、、、
と思うようになってしまったのです。
深い理解を求めることは我儘なことなのか?当然なことなのか?
良い傾向なのか?悪い傾向なのか?
そして、例えば「青」という色を選ぶ時、
何百種類の青を抽出し、その中から法外な時間をかけて「気に入る青」を選ぶ私は、
偏屈なのだろうか?
・・と悩んでいたのだけれど、「小澤征爾さんと、音楽について話をする」が全て解決して下さった。
それは、「人や芸術に敬意を持っていることの表れ」らしい。
「普通」「邪道」「安易」を避けようとすることも同じく。
ああよかった。
しかも、小澤さんの中に「我儘と我慢強さが共存している」ことも記されていて、、、
実は、我儘と我慢強さという相反するモノが自分の中で戦っているのを、
どうしたものか、と悩んでいたのだけれど、それはアリだったのですね。
憧れの小澤さんと同じというのは、そんなことでも、とても嬉しいです。
さて、「理解しようとする力、読み取る力、評価出来る力」は、
不特定多数の「人々」の中から、価値観を共有できる人に出会うためにも、
とてもとても役に立っていると、私は思います。
3種類の中から選べば3分の1、10000種類の中から選べば10000分の1、
内容が個性的であればあるほど、理解が深ければ深いほど、
より適合する仲間を見つけられるってことです。
冬の牧草ライブの時、毎度飛行機で駆けつけて下さっている方が、
下記の感想を寄せて下さいました。
「迷いに迷ってやっと購入することが多い私が
なぜ東京まで迷わずに来るのでしょうか
わかりません
はっきりしていることは
いつも 心地よい時間を過ごし 幸せな気持ちで帰ってくる ということです」
これは、楽譜を読んで読んで、、を経て、演奏する時の心理に似ているような気がします。
ということは、これらの力は、決して知識を得るための力ではなく、
(知識にした人は、演奏家ではなく評論家になるような気がします)、
最終的に「心地よい」とか「幸せな気持ち」を得るためにあるのではないでしょうか。
例えば、難曲も、楽譜を読んで読んで理解しようとしたり、
素晴らしい演奏で何回も聴いてみたり、誰かに糸口を教えて貰ったりすると、
今までの難解さはなんだったのかと思うほど聴きやすくなりますよね。
あんな感じですかね。
そして、その効力は自分にだけではなく、相手にも向かい、
相乗効果をもたらしてくれます。
この感想を頂いてから「もっともっと心地よく出来るように頑張ろう」と思いましたもの。
でも、これは、感想を伝えて下さったからこそ思えたこと。
私達の音楽を評価して下さったYさんに感謝すると共に、見習わなくちゃいけないなと思いました。
「感想を自分の言葉で伝える」って、意外と大変ですからね。
「感想を自分の言葉で伝える」といえば、
こんなに更新頻度の低いRSSもついていない不便な日記を、
まだちゃんと読んで下さっている方がおられるようで、、、
最近「日記、楽しみにしていますよ」とか「色使いが好きです」などと
言って頂く機会が結構ありました。びっくり!
しかも、嬉しいことに、全ての人が「感想」を添えて下さったのです。
その話を俊輔君に話したところ、俊輔君も同じ経験をしたそうで、
「twitterやFBが出来て、アクセス数は確かに減ってしまったけれど、
見捨てずちゃんと読んで下さっている方もいて、
そういう方は、決まって意見や感想を送って下さる。嬉しい限りですね」と。
いろいろな価値観があって当然ですし、
どれが良くてどれが悪いということではないのだろうけれど、
やっぱり、自分と同じような価値観を持った人と、いろいろを共有したいと思う。
同じ価値観の人とは、どんどん高め合ったり、どんどん深め合ったり出来ますから。
本当に素敵なことです。
それに、考えに考え抜いた微妙な色合いを差し出した時、「あ、青ね」と言われると凹むし・・。
というわけで、評価して下さった皆さまに感謝の気持ちを表すためにも、
良い相乗効果をどんどん生んでいくためにも、ウェブサイトの改装をしよう!と決意しました。
「私の士気は下がっていませんよ。こだわりも捨てていませんよ」ってことを示したいと思います。
そうそう、A rolling stone gathers no moss.
ということわざがありますよね。
イギリスでは、「落ち着きなく動き回っているものには能力は身につかない」
アメリカでは、「いつも活動的に動き回っている人は持っている能力を錆び付かせることはない」
と、まったく別の意味に受け取られているそうですが、
私は、その両方、
つまり、幹になる部分はどっしり腰を落ち着けるもの、枝葉部分は揺れ動き変化していくもの、
と捉えて生きていこうと思っていますので、
新しいシステムを取り入れつつも幹が倒れることがないよう、
音楽と同じように、イージー至上の世の中に反旗を翻し、
「今より少しでも良く」をモットーに、少しづつ少しづつ、
地道に細かい作業を進めております。
乞う御期待!
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では、ここからはお知らせと近況を。
4月8日(日)午後 milly la foret「春の牧草ライブ」+「ワークショップ」を行います。
milly la foretのアルバムは、順調に制作が進んでいます。
かなーーりイイと思います。
初夏に発売予定です。
その頃に発売記念ライブも(NZからミュージシャン達がやってくるらしいですよ)やります!
「ノンキー青空市5」も、今夏開催予定です。
オリンピックと連動、ですから、7月~9月の間にぜひやりたいと思います。
曖昧な日程しか発表できず、申し訳ありません。
いろいろな会場の下見はすでに済ませているのですが、
予算がない関係で、抽選に挑まなければならないのです。(涙)
今週末にまず7月分の抽選がありますので、当選を祈っておいて下さい!
決まり次第、すぐにお知らせするようにします。
4月22日(日)お昼頃、アンサンブル友遊+コンサート野ばらの合同演奏会を
横須賀ソレイユの丘公園内レストランで行います。
ノンキー組曲やアニメソングなどを盛り込んだ内容です。
実は結構やらされている(笑)友遊用のリコーダー編曲をいっぱい披露させて頂きます。
野ばらはメンバーの入れ替え全く無しのまま結成13年目を迎え、
4枚目のアルバムを完成させました。
全く吹けない、知り合いもいないところからスタートしましたが、
子育てや介護や病魔に負けずに頑張ってくれた結果、こんなふうに吹けるようになりました。
ジャケットもメンバーが順番に作ってくれています。
感想を一人一人丁寧に述べてくれた時、
皆に「音楽のある生活」を薦めて良かったなぁと思いました。
友遊は、昨年12月に共演させて頂いた積志リコーダーカルテットの皆さんと、
今度は東京か横浜で一緒に演奏会を開かせて頂けるらしいです。たいへん光栄!
秋頃ですかね。
近況は、、、
娘のイギリス留学時代の友達で、ドイツ籍の中国人エレーヌが、
同じくイギリス留学時代に知り合ったというメキシコ人のマルを伴い、
留学先のプエブラという町から遥々我が家にやってきました。
初めて見たという榎茸に大興奮中
せっかく日本に来たというのに、ご飯を作ったり、喋りまくったり、たっぷり寝たり。
我が家のゆるゆるライフを満喫して帰っていきました。(笑)
でも、おかげで、メキシコのこと、中国のこと、ドイツのこと、イギリスのことなどを教えて貰ったり、
超超好奇心旺盛な二人に日本のことを説明することで、錆びついていた英語も戻ってきたり。
貧乏旅行の手助けのつもりだったのに、こちらの方が楽しませて頂いちゃいました。
そういえば、この時もお互いの「理解しようとする力、読み取る力、評価出来る力」が関係を深めてくれました。
そして、御多分に漏れず、震災後、学生時代の友達によく会っています。
高校時代、大学生時代にタイムスリップできて、すごく楽しい。
ですが、介護や病気と戦っている友も多く、沢山の涙を見ました。
蓮の花のように、泥の中でも気高く綺麗に咲こうとしている友に、
さて、私は何を差し出せるのだろう。
ホームグランド的スタジオだった一口坂スタジオが閉鎖するということで、
元&現役PC社ディレクターが数十人集まるという奇跡のような同窓会もありました。
こちらは、元気とオーラを持った現役バリバリの方々ばかりで、
皆の半端ない若々しさに、「どうして?」でした。
老化と老齢化は別のことらしいけれど、実証されてました。
元気とオーラといえば、ネコかるメンバーでN響首席チェロ奏者の藤森亮一さんが
参加されているモルゴーア・カルテットの演奏会がとても素晴らしかったです。
あんなにグルーヴィなクラシックを初めて聴きました。
6月にある定期演奏会で、裏レパートリーのイエスやELPなどのプログレをやるそうです!
絶対に行かなくちゃ。
安田しん二さん率いる「魅惑の音楽団」の演奏会も、人間性が色濃く出ていて面白かったです。
龍笛、笙、サックスなどを吹いていた稲葉明徳さんと、
ケーナ、チャランゴなどを吹いていた菱本幸二さんの笛隊があまりにも素晴らしかったので、
その日の夜は、笛もちゃんと練習しよう!と誓ったのに。のに。のに。嗚呼。
毎年恒例の国吉杯ボウリング大会は、二十代後半男子が多かったなか、
なんと、5連続ストライクを叩き出した62歳Kunny-Gが優勝。
老化を恐れている皆に「希望」を見せてくれました。
それにしても、どんどんレベルアップしていく国吉杯・・・
この調子だと来年は6連続を出さないと優勝できないかもです。
そして、朝までゲーム大会も恒例になりつつあるので、
体力もつけておかなくちゃです。
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