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PARIS


individuel

2015_11/18 updated

この頃よく長左エ門先生のことを思い出しています。
長左エ門先生とは、朝会の時、つま先立ちしながら全員の顔をのぞき込み、
ゆっくり上下に揺れながらお話をされていた小学校時代の校長先生です。
私が卒業するのと同時に引退されたのですが、 引退された後、私の家を訪ねてきたのです。
自分で育てたという野菜を手渡してくれ、「お礼に伺いました」と。
ただの「一生徒」だった私はびっくり!
で、その理由を伺うと、
「朝会の時、あなたが私の話をしっかり受け止めてくれている様子に毎度励まされていた」
と仰るではないか。

いやいや、そんなことは当たり前のことで、誰でも出来ることです。
でも、600人もいる生徒の表情をひとつひとつ丁寧に観察するって、なかなか出来ないこと。
長左エ門先生の方こそ素晴らしい!
600人をひと括りにしないって、凄いことですよ。

その時以来、長左エ門先生を見習って、
私も「ひとりひとりの顔と心を見る」よう努めてきたのですが、
残念ながら、私には600人どころか、30人以上の顔や心を見る能力がないことが分かりました。
でも、それならそれで、自分の能力に合わせて人数を減らせば良いこと!
大切なことは、「個」を尊重し、「個」に真摯に向き合うことですから。

小アンサンブル、小ユニット、小コンサート、少人数の友・・・ と、
活動範囲をどんどん狭めていったのは、こういう理由からだったのです。

ところが、世の中は、私の縮小指向とは正反対に動いていき、
SNSを通して巨大コミュニティがどんどん生まれ、
大金・大人数が動くことが素晴らしいこととされ、
コンサート会場もどんどん大きくなり、
見栄のための動員で呼ばれることも少なくなくなりました。
「100人の客」「1000人の友達」「女性」「おばさん」「B型」などの括りの中に
いつのまにか自分が入っていると、存在が軽んじられたようで悲しくなりました。
悩み相談や意見を求められ、誠心誠意向き合って考えたのに、
「あれ?私でなくても良かったのかな?誰でもよかったのかな?」
「むしろ、意見を言ってはいけなかったのかな?」
・・・と寂しい気持ちになってみたり。

「私にも心があり、私にも人生観があり、私にも積み上げてきた歴史があり、
大事にしていることや人もあり、一所懸命それらを守りながら生きているのだっ!」
・・・と、実は、心の中で抗議していた時だったのです。
大・大・大好きなフランスの非常に悲しいニュースが飛び込んできたのは・・。

ひとりひとりにかけがえのない命があり、
その人らしい生き方があったでしょうに。
それらを尊重するどころか、顔も心も見ることなく奪ってしまうなんて、
ひど過ぎます。

犯人に家族は居なかったのでしょうか。
犯人に愛する人は居なかったのでしょうか。
犯人にやりたいことはなかったのでしょうか。
夢はなかったのでしょうか。
自分を被害者に置き換えてみることは出来なかったのでしょうか。

ひとりひとりの存在の大きさを、ひとつひとつの心の尊さを、
今、「世界中に聴こえる大きな声で」訴えたい気持ちでいっぱいです。


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延期していたイギリス・フランス旅行のご報告会を、
一瞬、もう一回延期させて貰おうかなぁと思ったのですが、思い直しました。
今は、
今こそ、どうして私がこんなにフランスを好きなのかを伝えたい!
パリの良さを、自分の言葉と自分で撮ってきた写真でしっかり伝えたい!
と心底思っています。
ライブ準備もいつも以上に丁寧に行っておりますので、 どうぞお越しくださいませ。

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milly la foret 028 LIVE「サンティエ」
2015_11/22 (日)13:00 open 13:30 start

setier

@目白ギャラリー鶉
東京都豊島区目白2-8-1 
JR「目白駅」徒歩6分
東京メトロ副都心線「雑司ヶ谷駅」徒歩5分

1部「milly la foret LIVE」(13:30- )
2部「旅の醍醐味~イギリス・フランス編~」(15:30- 茶菓付き)

詳細はこちら

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