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1999/3_23(コッツウォルズ地方)
みなさん、インターネットを通じて海外の予約をする時は、不安でもクレジットナンバーを書き込みましょう!
"None"という所があったので、てっきり現金で支払えると思って・・・。
クレジットカード無しは、海外では通用しないことくらいわかっていたのに。悔やんでいても仕方ありません。対策を考えないと!
夜型の私達は、まったく朝がだめです。なのに、6:00AMに起きて電話で交渉していたのですから、
どんなにコッツウォルズに行きたかったのか、わかっていただけるでしょう?
7時前から電話するこっちもこっちだけれど、そんな朝早くからデスクに人がいる向こうのコーチ会社も凄いなと感心して・・・
・・ いる場合じゃなく、必死に頼んだのですが、「観光バスに立って乗る話は聞いたことがない。」とか、
「席がないものはない。」と言われたらもうあきらめるしかありませんでした。
夫が「電車でGO!」とのうてんき発言をしていましたが、聞き流してバタバタとホテルのツアー窓口に走りました。
コッツウォルズは、電車などでいかれない不便な所にあるからこそ、中世の村落がほぼ完全な姿で残っているのです。
おまけに、ツアーは毎日あるわけではなく、特に日本語ガイド付きは水曜日のみなのです。
なんとしても、今日のコーチに乗るしかありません。交渉、交渉。
ふと気がつくと、昨日までのツーリストイングリッシュではなく、ペラペラ英語を話しているから、びっくり。
こういうのを、「火事場のばか力。」というのですね。
で、7:45AMに、しっかりコーチに乗っていたんです、私達。といっても、回りはカナダ人とアメリカ人。
そうなんです、交渉がめでたく成立して、そういうツアーに入れてもらったのです。
けれど、行き先はオックスフォード、コッツウォルズ、そしてストラットフォード・アポン・エイボンと3ケ所。しかもガイドは英語。
なんだか忙しそうな雰囲気のする旅の気配です。「羊のいる丘さえ見れればそれでいい。」
と自分達にいいきかせていたのですが、動揺は隠せませんでした。
ところが、これがかえって素晴らしい結果になってしまったのです。
Oxford
最初の目的地は、オックスフォード。私自身は留学していた頃によくお芝居を見にきていたし、
予想通りの短時間観光であまり感動できませんでしたが、娘と夫は何回も
「本当に学校なの?信じられない。」とくり返し、とても気に入っているようでした。
ここへ留学するのはちょっと無理だと思うけど、夢はみていいからね。
Cotswolds
そして、そこからかつて羊毛の取引で栄えたコッツウォルズの可愛い村々に辿り着くまでは、想像通り羊の丘ばかりでした。
スコットランドの雄大さには負けていたけれど、そこにいる羊たちも、やはりボーッとして幸せそうな顔をしていました。
癒されます。本当に優しい気持ちになれます。
ガイドさんの話では、ある商人の邸宅に、こんな碑文が残されているそうです。
「神に感謝を。この富みのすべてを与えてくれたのは羊である。」そうですか、羊には昔、そういう力もあったのですね。
羊には他にも能力があったことを知り、ますます興味津々で観察していた私達は、
アメリカ人達が、この移動の時間を睡眠時間に当てている中でかなり浮いている存在でした。
が、なにはともあれ、羊の丘を見ることができて本当によかった。
コッツウォルズの村々は、18世紀になって羊毛取引が落ち込んでしまうと、忘れられた村になっていたのです。
けれど、それが結果としてこの地域の持つ魅力を保存することになりました。
「いじり過ぎないってことの素晴らしさ」を、是非、川をコンクリートでかためて造成バンバンの日本のおじさま達や、
いい子になるはずの子供たちを教育という名を使って矯正してしまっているお母さま達に見て頂きたいと思いました。
さてその村は、20年ほど前からアーティストやデザイナーが多く移り住むようになってきたそうです。
日本では今流行りのガーデニングのお手本として有名ですよね。
確かに、こんな可愛らしい村を大型観光バスで通りすぎるのが「いやーっ!」と叫びたくなるほど浮世離れした綺麗なところでした。
ところで、ガーデニングというと花木が目一杯植えてあるイメージを持っていたのですが、「間」があるのですよ、本家は。
ガイドさんの話では、その「間」こそがセンスの決め手なので、みんな一生懸命「間」を研究しているのだとか。
うーん、どこかで聞いた話です。そうそう、日本庭園もそうだけど、楽譜の休符も、そうですよね。休みじゃないですよね。
「間」なんですよね。そこでセンスが問われるのですね。勉強になりました。
さて、「この旅がかえって素晴らしい結果」になった理由ですが、いよいよ登場です。
ストラットフォード・アポン・エイボン。予約していたツアーは、ここへは行かないはずだったのです。